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2017/02/27

コラム スマートネーション構想

山田ビジネスコンサルティング株式会社

 

シンガポール政府が掲げる重要な構想のひとつとしてスマートネーション構想を取り上げます。リーシェンロン首相が2014年8月の独立記念日に行ったNational Day Rally (施策方針演説) において「スマートネーションヴィジョン」を発表し、世界初のスマート国家の構築を目指すと表明しました。

 

1 スマートネーション構想について
スマートネーション構想とは、デジタルテクノロジーを活用して国民に新たな可能性を提供するとともに、生活をより充実したものにすることを目的にした国家構想です。2015年4月に専門組織としてSmart Nation Program Officeを立ち上げ、以下の5つのドメインを主な対象として対応を強化しています。
(1) Transport (輸送)
(2) Home & environment (住居と環境)
(3) Business Productivity (生産性)
(4) Health and enabled ageing (健康と有効な高齢化)
(5) Public sector service (公的サービス)

 

図1:スマートネーション構想概要

(出所:Smart Island website)

 

2 Infocomm Media 2025
2015年8月、ヤコブ・イブラヒム情報通信大臣を中心に立ち上げたステアリングコミッティが「Infocomm Media 2025」を発表し、2025年までの10年間でシンガポールのICT・メディア分野が目指すべき方向性を示しました。以下に主なポイントを記載します。
(1) ICT・メディア分野が解決する主要な国家的課題
・生産性の向上
 政府が目標とする年間2~3%(2010~2020年)の生産性向上に寄与する。
・高付加価値な雇用の創出
2030年までにシンガポール人が、現在2分の1であるプロフェッショナル・管
理職・エグゼクティブ・技術者としての職を持つ率を3分の2に引き上げるとい
う目標に貢献する。
・高齢化社会への対応
2030年までに18.7%の国民が65歳以上になる(2014年時点では12.4%)。テクノロジーが健康で長生きできるための新たなソリューションを提供することができる。
(2) 今後10年間のイノベーション創出に貢献すると期待される技術・ビジネスのトレンド
・ビッグデータおよびその解析
・IoT
・認知コンピューティングと先進的なロボティクス
・次世代コミュニケーション・コラボレーション技術
・サイバーセキュリティ
・人々を夢中にさせるメディア
・モビリティとコネクティビティの増加
(3) 3つの戦略的推進領域
i. データ・先進的コミュニケーションとコンピューティング技術の利用
ビッグデータを有効活用するための解析技術とそれに必要なインフラ整備を行い、データの収集・伝送・共有の効率性を強化するものです。またデータの活用例として、物流・ヘルスケア・教育分野への影響が示されています。
ii. リスクをとる姿勢を奨励するICT・メディア分野のエコシステムの育成
シンガポール発のコンテンツ・製品・サービスの開発を促すICT・メディア分野のエコシステムの育成を目指しています。ICT人材の育成と有望な新興企業の支援とその整備が提言されています。
iii. ICT・メディアによる人々の結びつきの強化
ICT・メディアは国民の生活を直接的に各個人それぞれにあった形で豊かにし、また地域社会の結びつきを高めることで国家のアイデンティティを強化すると示されています。
3 R&D推進領域とシンガポール政府方針
スマートネーション構想の実現には戦略的なR&Dがかかせないと考えられており、政府は「Research Innovation and Enterprise 2020(RIE2020)」を策定し、2016年~2020年にかけて様々な分野へS$19billion(約1兆5,200億円・S$=80円)を投資することをコミットしています。「Infocomm Media 2025」にて提言されているICT・メディア分野においてR&Dを強化する必要があると提言されている領域は以下のとおりです。
 ・サイバーセキュリティ
 ・コミュニケーション
 ・認識技術
 ・先進コンピューティング
 ・アナリティクス
 ・インターフェイス
  シンガポールは世界初のスマートネーション化を実現するために「Infocomm Media 2025」で提言されている分野・領域を中心に新たな技術開発を促進していくものと考えられます。またその実現とICTの活用例をシンガポール発のイノベーションとして海外へ展開する支援を進めると考えられます。

 

図2:シンガポール政府のR&D分野における投資コミットメント金額の推移

(出所:RIE2020)

 

図3:RIE2020における投資ポートフォリオ

(出所:RIE2020)

 

図4: 電子政府ランキング
順位 国
1 イギリス
2 オーストラリア
3 韓国
4 シンガポール
5 フィンランド
(出所:国連e-Government Survey 2016)

 

・参考リンク
Smart Nation Singapore: https://www.smartnation.sg/
Infocomm Media 2025:
https://www.mci.gov.sg/portfolios/infocomm-media/infocomm-media-2025
RIE2020: https://www.nrf.gov.sg/rie2020
Gov.sg: https://www.gov.sg/
Data.gov.sg: https://data.gov.sg/
Statistics Singapore: http://www.singstat.gov.sg/statistics

 

 喜多 泰之

山田コンサルティンググループ株式会社 シンガポール支店長

喜多 泰之

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