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2016/06/09

コラム 中国における商業賄賂規制と適切な規程類の重要性

山田コンサルティンググループ㈱

1.商業賄賂とは

 中国で事業活動を行う上で注意すべき規制として「商業賄賂」が挙げられます。
 日本では、専ら公務員との間で問題になる賄賂ですが、こと中国においては、公務員との間ではない、ビジネス上で授受される金銭や物品、サービスも、基本的に禁止されています。
 中国では、日系企業をはじめとした外資系企業が商業賄賂を理由に摘発され、罰金を課された事例が報道されています。
海外子会社のコンプライアンスも重視される昨今においては、「商業賄賂」による摘発は、罰金に加え、企業の大きなイメージダウンにつながるおそれもあり、決して軽視できるものではありません。

2.商業賄賂の具体的な規制

 「商業賄賂」は、次の2つの法律により規制されています。

 ・反不正競争法(中国名:反不正当竞争法)
 ・刑法(中国名:刑法)

「商業賄賂」とは、ビジネスにおいて、取引機会を得るなどの不公正な目的のために、財物の授受や利益の供与等を行うことを指します。

「財物」:金銭に限らず広く物品を含みます。販促費、宣伝費、労務費、コンサルティング費、仲介手数料等の名目を借りて、金銭や物品を相手方に支払うことも含みます。

「利益の供与」:有形物の供与に限らず、取引先を旅行に連れて行くなどの無形的な利益を供与することも禁止されています。
 ※反不正競争法と刑法では若干規定の仕方が異なり、前者では金銭に見積もれない便宜(例えば子供の就職の便宜を図る)も規制されますが、後者では、金銭的な評価が可能なサービスを指すと考えられます。

「反不正競争法」が定める商業賄賂規制に違反した場合、1万元以上20万元以下の罰金や違法所得の没収が課される可能性があります。
 また、「刑法」が定める商業賄賂規制に違反した場合、情状が重い場合には、担当者や責任者は10年以下の有期懲役に処せられる可能性もあります。

3.リベートは「商業賄賂」か?

 商慣習上、取引量が一定量を超えた場合に値引きなどを行う、いわゆるリベートが行われることも珍しくありません。
 このようなリベートは中国でも認められております。しかし、リベートも一定の場合には「商業賄賂」として規制されます。
具体的には、その金銭の提供が帳簿に記載されていれば適法なリベートとして合法となりますが、それが帳簿外で秘密裏に行われた場合には、規制の対象となります。
 会社内部において、リベート供与等に関するルールを明確にし、担当者の勝手な判断による供与を避けることが大切です。

4.季節の贈り物は「商業賄賂」か?

 全ての物品等の供与が禁止されるわけではなく、商慣習や社会通念に照らして少額といえる広告礼品を贈ることは、中国でも許されるとされています。
 「広告礼品」とは会社のロゴなどを付けた物品などがこれにあたります。もっとも、いくらまでが「少額」と言えるかは明確な規定があるわけではありません。
例えば中秋節(注:中国の祝日にあたり、例年9月中旬)に月餅を贈るような行為は商業賄賂と疑われる可能性は低いといえますが、取引成立の前後に特定の担当者に贈り物をするなど、取引との関連性を疑われる行為は避けるべきでしょう。
 これらについても、個々の従業員に判断を任せるのではなく、会社全体の統一的な規定を作成しておくことが望ましいと考えられます。

5.適切な経理規則等の体制を整えることが重要

 中国でのビジネスでは、営業担当者と取引先担当者との個人的なつながりが、日本以上に重要視される傾向があります。
 営業担当者が功を急ぐあまり、会社が処罰されることになっては元も子もありません。一方で、処罰を恐れるあまり、営業担当者を過度に委縮させてしまうことも歓迎すべきではありません。
そのため、贈答品の金額基準や賄賂禁止規定などに加え、適切な財務処理・会計処理の規定類を整備することが効果的です。
また、従業員研修などを行い、従業員に商業賄賂規制の理解とそれによる会社・担当者個人への影響の深刻さを理解させることも大事です。
 実際に、会社が事前に規程類を整えて従業員教育を行っていたことを理由として、会社が処罰を免れた例も少なくありません。

6.コンプライアンス経営により効率的な経営を行うことができる

 なお、近年、海外子会社のコンプライアンス経営が話題になることがありますが、合理的な規程類を作成することで、現地法人の実態を把握したり会社経営の効率性を高めたりすることもできます。
 法的な視点はもちろん、会計、経営等の視点を入れることで、より適切な現地法人の仕組みづくりを行うことができるといえます。

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