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2017/02/01

マレーシア/マレーシア 2017年税制改正の概要

税理士法人山田&パートナーズ

景気動向に梃入れをするために、法人税では前年比で増加した所得に対する法人税率に引き下げ、個人所得税では所得控除の見直しなどが行われました。また役務提供についてサービスの提供地が国外であってもマレーシアでの源泉徴収が必要とされたため注意が必要です。

 2016年10月21に2017年の予算案および税制改正案が公表され、11月23日に国会で可決されました。予算案においては重要項目として、①新規創業および中小企業支援、②ライフスタイルの質の向上・健康増進、③女性や子どもへの配慮、④ブミプトラ政策の推進の4点が挙げられており、これに基づいて税制改正が行われます。
 今回のコラムでは、税制改正の内、主なものを記載します。
 
1. 個人所得税
(1)配偶者控除の要件
 ①改正前
  夫または妻が、課税所得が生じない場合に適用ができます。
 
 ②改正後(2017年分申告より適用)
  配偶者に外国源泉所得があり、その所得金額が配偶者控除額(4,000リンギット)を超える場合には、配偶者控除は適用できなくなります。
 
(2)ライフスタイルに関する控除
 ①改正前
  次の所得控除の適用を受けることができます。
  ・知識を習得するために購入した書籍、雑誌等に係る費用・・・年間1,000リンギット
  ・パソコンを購入するための費用(3年間に1度だけ適用)・・・年間3,000リンギット
  ・スポーツ用品を購入するための費用・・・年間500リンギット
 
②改正後(2017年分申告から適用)
 現行制度の複数の所得控除が一つにまとめられ、次の費用につき合計2,500リンギットまで所得控除の適用を受けることができるとされています。
 ・書籍、雑誌、日刊新聞(紙媒体のもの)を購読するための費用。
 ・スマートフォン、タブレット端末を購入するための費用。
 ・インターネットに係る通信費用。
 ・ジムの年会費、スポーツ用品の購入費用。
 
(3)授乳器具等を購入した場合(新設、2017年分申告から適用)
   乳幼児(2歳以下)のための器具(哺乳瓶など)を購入した場合には、合計1,000リンギットまで所得控除の適用を受けることができます。この控除を受けられるのは女性の納税者のみとされています。
 
(4)託児所や幼稚園などへの入所に係る費用(新設、2017年分申告から適用)
   6歳以下の子供のための託児所や幼稚園に係る費用については、合計1,000リンギットまで所得控除の適用を受けることができます。
 
2.源泉税
(1)改正前
 所得税法第4A条に定める下記の役務提供を、マレーシア非居住者がマレーシア居住者に対して行った場合には、マレーシア国内において行われたときにのみ、源泉徴収を行う必要があります。
 
 所得税法(Income Tax Act) 第4A条
 (ⅰ) 資産や権利の使用、工場、機械、装置の設置や操業に係る役務提供
 (ⅱ) 科学技術、工業、商業に関する技術指導、支援、管理や監督等の役務提供
 
(2)改正後(Finance Actの施行日(2017年1月1日)以後適用されます。)
 課税対象がマレーシア国外において行われた役務の提供にも拡大されます。したがって、マレーシア非居住者がマレーシア居住者に対して前述の役務提供を行った場合には、役務の提供が行われた場所にかかわらず、源泉徴収が必要となります。
 
3.法人税
(1)法人税率の引き下げ(2017年事業年度、2018年事業年度にのみ適用)
 ①改正前
 ・法人税率は24%。
 ・中小企業等(※)に該当する場合には、課税所得50万リンギットまでは19%。
  ※中小企業等とは、払込資本金の額が250万リンギット以下等の要件を満たす法人をいいます。
 
 ②改正後
 ・引き続き、法人税率は24%。ただし、課税所得が前年対比で増加した場合には、その増加率に応じて次の軽減税率が適用されます。

(表1)増加率応じた適用税率

増加率

適用税率

5%未満

24%

5%以上10%未満

23%

10%以上15%未満

22%

15%以上20%未満

21%

20%以上

20%

 

 ・中小企業等に該当する場合には、課税所得50万リンギット以下までは18%に引き下げられます。また課税所得50万リンギット超える部分については、上記の軽減税率の適用があります。
 
 【例】2016年事業年度の課税所得が100万リンギット、2017年事業年度の課税所得が110万リンギットであった場合(中小企業等以外の法人とします。)
   イ 前事業年度と同額分100万リンギット×24%=24万リンギット
   ロ 増加分10万リンギット×22%(※)=2万2千リンギット
  (※)増加率=増加額10万リンギット÷前事業年度課税所得100万リンギット=10%
      ∴増加分の適用税率22% (表1より)
   ハ 法人税額=イ+ロ=26万2千リンギット
 
(2)ロイヤリティの定義の拡大
 改正後においては、ソフトウェアの使用権や、インターネット等を通じた映像、音楽、音声の利用権に関して受領したものが追加されます。
 
4.国際課税
(1)移転価格税制
 国別報告書(Country by country report)を作成していない場合には、最低20,000リンギットから最高100,000リンギットの罰金、または禁錮、もしくはその両方が課せられます。
 なお、国別報告書は2017年1月1日以後に開始する事業年度から適用され、事業年度終了の日から12か月以内に作成することとされています。12月決算法人(事業年度1月1日から12月31日まで)の場合には、2018年12月31日までに作成しなければなりません。
 
5.物品・サービス税(GST)
(1)保税地域内における取引
 保税地域(Free Zone)内において、事業者から別の事業者に資産の譲渡があった場合には、GSTは免除されます。
 
(2)保税倉庫間の取引
 保税倉庫にある資産を他の保税倉庫に移転した場合には、GSTは免除されます。
 
6.印紙税
 不動産の譲渡に係る契約書について、次のとおり印紙税が課せられます。
改正後は、取引金額が1,000,000リンギット(約2,600万円)を超えた場合には4%の税率が課せられます。
 

鈴木 幹大

税理士法人山田&パートナーズ
税理士

鈴木 幹大

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