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2018/07/19

中国/制度トピックス/環境規制の最新動向 ~環境違法行為告発制度について~

山田コンサルティンググループ株式会社

■ 本件のポイント

中国は、2014年頃から環境規制が大幅に強化された。特に近年、中国各地において、環境違反行為告発に対する奨励制度が制定・実施されている。

  • 2008年6月24日、江蘇省環境保護庁は、「江蘇省環境違法行為告発奨励弁法」を公布・実施した。2014年以降、蘇州市、無錫市等の都市も、環境違法行為告発奨励に関する規則を制定・実施した。
  • 2017年4月18日、北京市環境保護局は、「環境違法行為告発に対する奨励のを実施に関する規定」を公布・実施した。
  • 2018年1月15日、浙江省環境保護庁は、「浙江省固体廃棄物環境違法行為告発奨励弁法」を公布し、3月1日より、実施した。
  • 2018年6月5日、上海市環境保護局は、「上海市環境違法行為告発奨励弁法」を正式に施行した。中国主要地域では、環境違法行為告発制度が制定されている。

上海市環境保護局によると、今年1月から5月までの環境違法行為案件数は1006件で、その内1割は、市民の告発により発見されている。

各地環境告発奨励制度の内容は類似するので、以下上海市の規則を紹介していく。

1.告発の対象

告発の対象行為となるのは、下記の通りである。

  • 暗渠、灌注或において、非正常運行汚染防止施設等の監視を避けた汚染物質の違法排出
  • 工業固体廃棄物または危険廃棄物を違法に排出、搬出、処理
  • 汚染物排出企業あるいは第三者機構によるモニタリングデータの改竄、偽造もしくはその他の粉飾・欺瞞
  • 批准あるいは登録(承認)がなく、違法に放射源を使用、販売及び転移
  • 規定に定められた汚染物排出許可証を取得していない状況での汚染物質の排出
  • 建設事業で、環境影響評価(環境アセスメント)を行わないまま無断での着工
  • ボイラー、窯炉から黒煙の排出が著しく多い
  • 揮発性有機化合物(VOCs)を無秩序に排出
  • 空気重汚染応急警戒期間に生産を制限及び停止する命令を不遵守
  • その他の影響が大きい環境違法行為

2.奨励の条件

下記の条件を該当する場合、奨励金を受けることができる。

  • 通報される環境違法行為が本市行政区域以内に発生している
  • 通報される対象及び基本的な違法事実、明確な手がかり或は写真、ビデオ等証拠がある
  • 通報の内容について、環境保護部門が調査して事実であることが証明されること
  • 同じ通報内容では他部門から奨励はもらえない

3.奨励の金額

告発される違法行為の厳重程度により、下記の奨励を実施する。

表:環境違法行為を告発する場合の奨励

4.告発の方法

  • 電話
  • ネット投書
  • 投書
  • 訪問
  • チャットアプリ「微信(ウィーチャット)」

5.想定される必要な対応

  • 自社社員に正しく管理、処理、改善していることをアピールする
  • 現地法人だけではなく、日本本社が主導する中国グループ会社環境連絡体制を構築する
  • 環境問題に関わる場合、操業停止・工場移転・解散・会社新設等に関連する可能性があり、早めに対応することが重要である
  • サプライチェーン全体で環境規制対応を検討する
  • 戦略・情報・監査等面で、中国環境規制に詳しい専門家を活用する
  • 環境調査・環境指摘を受ける際には、早期にコンサルティング会社等へ相談する

徐 啓楠

山田コンサルティンググループ株式会社  海外事業本部
山田コンサルティンググループ(上海)有限公司

徐 啓楠

中国弁護士(上海市司法局・上海市弁護士協会登録)。
2017年11月山田コンサルティンググループ(株)入社。中国進出・撤退等の業務に従事し、多数の中国案件に関与。
2018年4月より、山田コンサルティンググループ(上海)有限公司に出向。
設立(合弁含む)、撤退・縮小、債権回収、知的財産権対策、契約書審査、訴訟対応等、中国進出日系企業の法務全般に関わる。

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