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2019/11/19

シンガポール法人が株式譲渡を行う場合の課税

税理法人 山田&パートナーズ

日本法人がM&Aによりシンガポール法人の株式を取得するケースや、シンガポールの中間持株会社(統括会社)が保有する株式を売却するケースでは、株式移転にかかる課税関係の把握が重要となります。
主なシンガポールにおける課税関係の概要は下記(1)及び(2)の通りですが、(3)に記載の通り、シンガポール以外の国で課税が生じるケースもあるため、関係する国も含めた総合的な検討が必要となります。

(1)シンガポール法人の株式譲渡益課税(シンガポール)

日本では株式売却益に対して法人税が課税されますが、シンガポールでは資本取引に該当する株式の売却益(キャピタルゲイン)は非課税となり、資本取引に該当しない株式の売却益(インカムゲイン)は法人税が課税されます。
資本取引に該当するか否かの判断は、原則として株式の保有期間や取得目的等を踏まえて総合的に行われます(売買を繰り返しており保有期間が短期となる場合、資本取引に該当せず株式売却益に課税されるケースがあります。)。なお、2年以上の期間にわたり20%以上を保有している株式の売却については、当該譲渡益を資本取引から生じたキャピタルゲインとみなすという取扱いが、2022年3月末までの措置として設けられています。

(2)株式売買契約書に対する印紙税課税(シンガポール)

シンガポール法人株式の売買を行う場合、印紙税が課税されます。印紙税の税額は以下の算式で計算します。

税額=株式の価額(取引価格又は時価のいずれか高い額)×0.2%

※株式の時価の算定方法
①上場株式:実行日の市場平均価格(ない場合には直近の日の市場平均価格)
②未上場株式:実行日の直前期の時価純資産価格

なお、グループ内の株式移転で、所有資産のすべてを移転している、実行後2年間は支配関係が継続する等の一定の要件を満たす場合には、税務当局に申請を行い、承認を受けることにより、印紙税の免除を受けることができます。グループ内とは売買当事者の一方の法人が他方の法人の議決権株式の75%以上及び議決権の50%以上を直接に保有している場合等をいいます。免除を受けるためには、免除要件を満たしていることを説明する書類等、一定の書類をシンガポールの税務当局(IRAS)に提出する必要があります。

(3)その他の留意点

①日本の法人税・所得税の取扱い
シンガポール法人で生じる株式譲渡益が、資本取引としてシンガポールで非課税となる場合でも、当該法人の株主が日本法人や日本居住者である場合、当該譲渡益を日本法人や日本居住者の所得とみなして課税する取扱いが、日本で設けられています(外国子会社合算税制)。そのため、株式譲渡時には、日本の株主側の課税への影響についても検討が必要となります。

②子会社所在国での課税の取扱い
シンガポール法人が外国法人の株式を保有しており、当該株式の売却を行う場合、外国法人の所在国で譲渡益課税等の課税が生じるケースがあります。そのため日本やシンガポール以外に、出資先の外国法人の所在国の課税への影響についても検討が必要となります。

熊谷 仁志

税理士法人山田&パートナーズ  シニアマネージャー・公認会計士

熊谷 仁志

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