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2014/11/17

カンボジア現地事情

山田ビジネスコンサルティング(株)

先月(2014年10月)末、アパレル関連企業のご依頼をきっかけにカンボジアを訪問しました。いくつかのデータとともに、縫製業を中心にカンボジアの現地事情をご紹介します。

1. 基礎情報

カンボジアはインドシナ半島に位置し、タイとベトナムに東西を挟まれています。名目GDPは約140億ドル、一人あたりでは934ドル(2012年、JETRO)と、東南アジアの中でも発展が遅れており、国連が定める後発開発途上国48カ国の一つです(東南アジアでは他にミャンマー、ラオス)。産業は農業が中心で、都市部人口の比率は東南アジアで最低の21.4%です(2013年中間年人口調査、カンボジア計画省)。
また、非常に若い国で、約1,500万人の人口の半数以上を24歳以下が占め、今後の人口増加が予測されます。ただ、年齢別の人口構成を詳しく見ると、歪な形をしています(図2)。これは1970年代後半のポル・ポト政権下での大虐殺の結果で、35~39歳の人口が極端に少ないことが見て取れます。医師や教師といった知識層の多くが殺害されたため、医療や教育の水準が低いことが大きな問題となっています。

図1 カンボジアの立地

図1 カンボジアの立地

出典:Google Map

図2 カンボジアの年齢別人口構成

図2 カンボジアの年齢別人口構成

出典:World Fact Book

2. 経済発展を牽引する縫製業

カンボジアの輸出は、縫製品が金額ベースで88%を占めており(2012年、カンボジア中央銀行)、経済発展を牽引しています。最大の輸出先はアメリカですが、近年日本への縫製品輸出も急増しており、2013年は約290億円と2006年の20倍近くになっています(財務省貿易統計)。
廉価な労働力を求める外資縫製業企業の進出が多く、特に中国系、韓国系の縫製工場が目立ちます。ワーカー(一般工職)の月額基本給は101米ドルと、中国やタイはもちろん、ベトナムと比較しても非常に安価です(図3、2012年、JETRO)。
ある韓国系の縫製工場では、Tシャツ1枚の加工賃は0.5米ドル程度と、中国の半額以下の水準とのことでした。この工場では品質管理も重視しており、例えば、ロット毎に色合いや手触りに変化がないか、生地のロット管理を行っていました。カンボジアにはこのような管理のノウハウがなく、自発的な改善はあまり期待できませんが、手法と必要性を説明すれば作業は真面目に丁寧にやってくれるそうです。これは国民性のようで、ワーカーの確保には適している一方で、管理職の育成には苦労されているとのことでした。
また、大きな課題の一つは原材料の調達です。産業集積が進んでおらず、日系企業への調査によると現地調達率は10.7%にとどまります(2013年、JETRO)。今回訪問した中国系、韓国系の工場でも、それぞれの親会社から原材料の大部分を調達しているのが現状です。カンボジアシルク、カンボジアコットンといった地場の原材料はあるものの、大量生産には向いていません。
一方、これらの原材料はNPO法人などで活用されており、「農村の女性に働く場を提供し、自立を支援する」というコンセプトで、雑貨等の生産・販売事業が多く立ち上げられています。日本でも、複数の事業者がグッドデザイン賞を受賞するなど、社会貢献の側面だけではなくデザイン性や技術も評価されています。

図3 ワーカー月額基本給(米ドル)

図3 ワーカー月額基本給(米ドル)

JETRO資料より筆者作成

図4 ロット管理の様子

図4 ロット管理の様子

筆者撮影(2014/10/28)

3. プノンペン市内の様子

プノンペン市内では、急激な自動車台数の増加に対して、インフラ整備や住民の交通規範意識が追いついておらず、深刻な渋滞が発生しています。その他にも渋滞の原因があります。降水時の冠水、路面の凹凸、スピードの出ないトゥクトゥクとその追い越しのための車線はみ出し、バイクの割り込みなどを頻繁に目にしました。市中心部から空港までは12km程度の道のりですが、1時間近くかかることも珍しくありません。
日本企業では、イオンが2014年6月に開業し、入場規制を敷くほどの活況で大きな注目を集めました。客足は落ち着いたとのことですが、金曜の日中に訪れた時には、地上の駐車場が満車になっているなど、まだその勢いは健在のようでした。また、2015年3月に開業を予定する東横インは、外観からはほぼ建設が完了しているように見えました。周辺は他にもホテルやマンションの工事が進んでおり、建設ラッシュです。


以上、今回の訪問を踏まえて、縫製業を中心に現地の様子をご紹介しました。カンボジアは他の東南アジア諸国に比べて外資規制が少なく、非製造業でも外資100%での進出が可能です。今後、製造業に限らず、日本企業の進出が加速していくことが期待されます。

図5 冠水した道を走るトゥクトゥク

図5 冠水した道を走るトゥクトゥク

筆者撮影(2014/10/27)

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