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2014/09/30

ベトナムの裾野産業の現状と投資奨励政策

税理士法人山田&パートナーズ

1.ベトナムにおける裾野産業の現状

第2回のVietnam News Letterでも触れたとおり、人件費の安さはベトナムに進出する際の大きなメリットとなっており、例えば製造業ワーカーの平均賃金で見た場合、ベトナムは3,000米ドル/年と中国やタイの2分の1以下となっています(中国:7,503米ドル/年、タイ:6,936米ドル/年)。しかしながら、裾野産業の弱いベトナムでは原材料や部品の現地調達が困難であり、日本貿易振興機構(JETRO)の調査によるとベトナム国内での現地調達率は32.2%にとどまっています。その結果、国外から原材料・部品を調達せざるを得ないことにより結果的に製造コストが高くなってしまうケースもあり、国内裾野産業の成熟が待ち望まれています。

また、ベトナムでは2011年から2020年の社会経済開発10カ年計画において「2020年までに工業国化を達成する。」ことを全体目標としており、工業国化のために特に重要な業種として、①電子産業、②農業機械、③造船、④自動車、⑤農水産品加工、⑥環境(省エネルギー・機器等)の6つの業種を掲げています。しかしながら、これらの業種についても生産上ボトルネックとなる裾野産業が存在しており、全体目標を達成するうえでもやはり裾野産業の発展が不可欠なものとなっています。

2.裾野産業育成のための投資奨励政策

ベトナム商工省によると、ベトナムでは現在約58,000社の製造業が存在するなか部品を製造している企業はわずか656社にとどまっているとのことであり、ベトナム政府にとっても裾野産業の成熟はベトナム経済における最重要課題の一つであるとの認識を示しています。
そこで現在、ベトナムでは裾野産業に対する投資奨励政策が議論されており、具体的には次のような恩典が検討されています。

(1)税務面における優遇

‐4年間の法人税免除
‐上記免税期間終了後、9年間の法人税半減(50%減)
‐専門職又は裾野作業に関する技術移転を行う指導員に対する、1年を限度とする個人所得税半減(2020年までの試験的政策)
‐製品生産のための固定資産の形成に必要となる部品に対する輸入関税の免除

(2)費用に対する一部補助

‐技術スタッフの教育・研修費に対する50%の費用補助(6ヵ月未満の範囲で1回限り)
‐広告費や商標登録費用に対する補助
‐国内・国外の貿易見本市出展費及び市場情報へのアクセス費用に対する補助

(3)その他

‐裾野産業への融資に対する優遇金利の適用(通常の貸出金利の8割以下:10年以内)
‐裾野産業クラスターに加わる企業については、土地賃借料について一括払い・分割払いの選択可能(一括払いを選択する場合には割引を受けられるケースあり)
-工業団地以外の場所で事業を行う場合、11年間の土地賃借料半減(50%)

冒頭で述べた人件費の安さや労働者としての質の高さから、多くの労働集約型産業がベトナムに進出してきています。しかしながら、これらの産業だけではいずれさらに人件費の安い国へと産業がシフトすることとなってしまうため、早い段階で資本集約型への産業転換を図ることが必要と考えられます。上記の投資奨励政策が可決・施行されることにより裾野産業の発展が加速するとともに、日本の製造業にとってより一層進出しやすい環境が整うことが期待されます。

【出所】ジェトロ、ベトナム工業化戦略作業部会、Tuoi Tre紙(ベトナム現地紙)

税理士法人山田&パートナーズ

税理士法人山田&パートナーズ
ベトナム事業準備室 室長

税理士法人山田&パートナーズ

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